「ベースは地味」の原因を考察した上で、魅力的なベースラインを紹介!

ライブでベースを弾く人

「ベースは地味、ダサい」
「ベースってギターと何が違う?」

このような先入観も最近ではだいぶ薄まってきていると思います。

たくさんの素晴らしいベーシストの演奏や、YouTubeにかっこいい動画をアップしているみなさんのおかげですね!

しかし、音楽仲間以外の知り合いと話すと、まだまだ「ベースは地味な楽器」というイメージがあるなと感じます。

そこで今一度、

ベースは奥深くておもしろい楽器だよ!

というのをお伝えできればと思います。

「ベースが地味」というイメージの原因を考えてみる

まずはそもそもなぜベースが地味だと感じてしまうのか。

以下のようなものが原因ではないでしょうか。

  • 人間の耳は低音より高音の方が聞こえやすい
  • ベースはバンドにおいては縁の下の力持ち
  • 「ジャンケンで負けてベース」のエピソードが広まり過ぎ

その1:人間の耳は低い周波数より高い周波数の方が聞こえやすい

ラウドネス曲線

引用元:産総研

上の図は「ラウドネス曲線」と呼ばれる、聞こえやすさをグラフにしています。

横軸 ⇒ 音の周波数
縦軸 ⇒ 同じ音量に聞こえる音圧レベル

となっています。
必要な音圧レベルが高いほど、聞こえにくい音です。

図を見て分かる通り、低い音の方が人の耳に聞こえにくいです。

また、ベースの音の周波数帯はギターよりもかなり低いです。

【参考】音の周波数
ベース:41~370Hz(4弦開放~1弦23フレットまで)
ギター:82~1245Hz(6弦開放~1弦23フレットまで)

したがって、低い音をメインに出すベースは人間の耳に聞こえにくいのです。

その2:ベースはバンドにおいては縁の下の力持ち

バンド内のグルーヴの構成

バンドにおけるパートのイメージ図

図は一般的なバンドの役割をざっくり表したものです。

ドラムやベースでリズムやコード進行の土台をつくり、そこにギターなどの楽器が加わり曲の骨格ができあがります。
最後はボーカルがメロディを歌って、曲の完成です。

基本的に曲の主役はメロディです。

したがってベースの役割は、主役のメロディが曲の中で最大限引き立つように弾くこと。

その役割のために、どうしてもいいリズムとシンプルなフレーズを淡々と弾くことが多くなってしまうので、地味な印象になりやすいです。

「ジャンケンで負けてベース」エピソードの影響

テレビなどでベーシストの人が

「ギターが良かったんですけどね~。バンド始める時にジャンケンで負けたからベースになりました。」

というエピソードを語っていることがあります。
このエピソードで「ベースは地味」というイメージが広まってしまった可能性もありますね。

BassGeek編集部

だれか「ジャンケンに勝ってベースを勝ち取った!」ってエピソード流行らせてほしい

「ベースは地味」と思っている人はベースの音を認識できていないかも?

「ベースは地味」というのは音の性質やバンド内での役割から、ある程度しょうがないことです。

しかし、説明した通りベースはバンドで重要な役割を果たしています。

主なベースの役割
  • リズムとハーモニーの土台をつくる
  • 低い音で曲に厚みを出す
  • メロディを引き立てる

また、「ベースは地味」と思っている人は、そもそもベースの音を認識できていないかもしれません。

「ベースの魅力」の記事に書いたように、ベースの魅力を楽しむためには「低音が良く聞こえる環境」で音楽を聴く必要があります。

そして何より、ベースがかっこいい曲を聞く事です!

というわけで、ベースがカッコいい曲を3つほどセレクトしたので、ぜひ聞いてみてください。

ベースが最高にかっこいい曲3選

曲の選定基準は、

「パッと聞いてすぐかっこいい」

曲の冒頭からベースラインがかっこいい曲を集めました。
どれも比較的ベースの音が聴き取りやすい曲ですので、お楽しみください。

東京事変 – 群青日和(ベース:亀田誠治)


8ビートのルート弾きがメインのベースラインです。
亀田誠治さんのベースは少し歪んだようなギラっとした音が特徴です。
曲の冒頭部分でベースが入ってくるところや0:50~あたりのメロディアスなフレーズが印象的です。
ドラムとの一体感もとても気持ちい1曲です。

BassGeek編集部

それにしても椎名林檎さん美しい・・・

Paul Young – Wherever I Lay My Hat(ベース:ピノ・パラディーノ)


この曲はフレットレスベースで弾いています。
0:55~あたりからベースが入ってきますが、まさに「歌うようなベースライン」です。
フレットレスベース特有のビブラートのニュアンスを生かしながら、ボーカルに負けないメロディアスなフレーズを弾いています。

BassGeek編集部

このベースラインは美しい・・・

Vulfpeck – Beastly(ベース:Joe Dart)


こちらはもはやベースのための曲です!
メインフレーズがベースで、なおかつ随所にベースソロがあります。終始歯切れのいいフレーズが気持ちいです。
3:10~は他の楽器が一切なくなって、本当にベース1本でのソロは圧巻です。

BassGeek編集部

思わず体が動き出す!

まとめ:ベースの魅力が分かるようになると楽しい

ベースはその性質上目立ちにくい楽器ですが、知れば知るほどおもしろい楽器です。
ジャンケンで負けてしぶしぶ始めた人もいつの間にかトリコになるほど。

「ベースって地味だよね?」

という人が周りにいたら、ぜひベースの魅力や役割を教えてあげてください。

BassGeek編集部

あまり語り過ぎると逆に引かれるのでほどほどが大切